キッズウィーク導入の背景には大きく3つのねらいがあるとされている。

第一のねらいは、子供たちの豊かな心や人間性を育むという点。
これを実現するためには、家族や友達とゆったり休日を過ごし、趣味に打ち込んだり、地域行事に参加したりすることが重要であるとの見解を政府は示している。

第二のねらいは、地域・観光振興に関する点。
政府は連休を分散化させることで、観光需要の平準化による混雑緩和やハイシーズンの宿泊料金の低廉化など旅行コストの引き下げを目指している。
また、低コストで旅行を楽しむことができるようになれば、旅行の需要増加が予想され、年中安定した観光需要が地域振興へ貢献することにも期待がかかっている。

第三のねらいは、休み方改革の促進。
政府はキッズウィークに合わせて大人も休暇を取り、地域行事や体験活動、旅行など多様な活動への参加を推奨している。
大人に休暇の取得を促す背景には、有給休暇の取得状況が思わしくない実態がある。
厚労省の調査によれば、2015年の有休取得率は48.7%となっており、2020年の政府目標である70%から程遠い状況にある。
現状では目標達成が困難なため、キッズウィークの導入を契機に有給休暇の取得を強く推し進めたいという政府の意図があると考えられる。

キッズウィークの成否は、特に第三のねらいが成功するかどうかにかかっており、官民が協力して有給休暇の取得推進を図っていくことが重要だと考察する。