障害年金専門の社労士の中には、真心から障害者に寄り添って、何日もかけて本人面談をじっくり行い、何度も病院に同行し、顧客の要望に則った年金等級を受けられるように導いてくれる方もいると信じたいが、収支の実現性を考慮すると、それはとても難しい。
※依頼主の生活環境から報酬抜きで対応するケースはあるはずだが、すべてそのような対応は本業としている以上不可能だ。


件の社労士が言い放ったように、現実的には何件も依頼を受注し、複数案件を同時進行で受給資格の確認や受給の可能性を想定し、その可能性があればマニュアル的フォーマットを利用して医師に向けた私見意見書を作成したり、診断書の整合性や書類不備を確認したり病歴申立書を作文したりする程度が関の山だ。
依頼者が精神疾患による年金請求をするにしても、何度も病院同行することは難しいし、結局は医師の対応次第だ。

文字で書くと面倒に見えるが、実務的には大したことは無い。
最初は依頼者と直接面談しても、その後はメールや電話で応対することになる。

極論を言えば、依頼者一人にかける時間的作業工数は多くなるはずもなく、知識があれば実働事務作業工数は累積で2時間程度あれば十分できる。

私はずっと事務方なので、書類作成等は得意な方だが、自分でも障害年金の申請をやってみて、それを振り返ってみても、やっぱり10万円、20万円分の仕事ではないと断言できる。

また、この10万20万は障害年金を必要とする方にとって、あまりにも負担が大きすぎる。
例えば、障害厚生年金3級を受給できたとしても、納めた厚生年金によって変わるが、年額は最低保証で584,500円だ。ここから10万20万の負担は大きすぎる。

ネットで障害年金代行について調べてみると、成功報酬型ではなく、手付金1万円、3万円程度を請求する社労士も存在する。
また、ほとんどの業者は高度障害1級や2級の報酬は、年金受給額の2~3ヶ月分だ。
1級2級の障害厚生年金になると年金額も大きく上がり、さらに家族加算金も含めて計算することになるため、場合によっては50万円60万円レベルの報酬になることもある。

ビジネスとは言え、顧客は障害を負った方々だ。
健常者にはわからない、様々な苦労や苦悩を背負っているかも知れない。
その家族も大変な状況かも知れない。

障害年金は受給する本人だけでなくその家族をも支える大切なお金。

それを、専門性が高く複雑とか、障害者に寄り添って、とか、申請に失敗すると1年間は再申できないから専門家に任せた方が良いなどを謳い文句にして、大した仕事でもないのに相応しくない超高額な報酬を請求する。

苦しんでいる障害者を食い物にしている純然たるCapitalism的ビジネスだ。

責められるべき違法性や犯罪性は全くない、依頼人と引受人が成立している正当な取引だが、この障害年金申請代行ビジネスの高額報酬については不自然極まりないとさえ感じる。

1級2級の高度障害を負った方が障害厚生年金の申請代行を社労士に依頼し、受給の認可を受ければ50万円以上の報酬を要求される。
何度も言うが、大した仕事でもないのにありえないくらいの不釣り合いな報酬である。

こんな相場がまかり通っている背景を勘繰りたくなってしまう。
年金審査を通すためにテクニックを駆使し、不労所得を助長するなど・・・だから高額な報酬設定にしても両者WINWINの関係が成立する・・・
絶対あってはならないし、そんなことはないと信じたい。

障害年金専門で懸命に仕事をしている社労士に敵意はないが、大した実務作業でもないのだから、もう少し障害者に寄り添った金額で受注したらどうだろうか?