先日、仕事の関係で懇意にしている取引先から社労士を紹介された。

当社の労務管理の仕事で取引したいのだろう。

こういった話は多々あるが、すでに取引している外注業者がいるため、そう簡単には変えられないし、変えたくない。
そんなことを考えつつも、面倒だが付き合いがあるため会うだけ会ってみた。
私より若いだろうか。
名刺交換を済ませ、年末の挨拶世辞や他愛のない世間話を交わしながら社労士からPRプレゼンを受けた。
給与計算、社保関連手続き、助成金補助金の申請代行など、ありきたりな内容だったが、ひときわ目立つように「障害年金はお任せください!」という文言に目が留まった。

社労士のありきたりなPRなどどうでもよいのでストップさせ、代わりに「障害年金はお任せください!」についてPRするよう促した。

この分野について、私もすでに申請中だが主治医への意見書や病歴の申立書など工夫したところがあるため、注意深く聞いていたのだが・・・

社労士「専門性が高いため障害者の方が申請するには負担が大きすぎます。我々は専門家なのでその負担を代行できます」
私「ふーん。で、何を代行するのですか?」
社「所定の診断書などに不備がないかのチェックや年金事務所への申請を代行します。また、状況によっては直接医師と面会します」
私「申請依頼を受けてから申請代行が完了するまで、どのくらいの工数がかかるのですか?」
社「案件にもよりますが、医師がすぐに診断書を書いてくれれば、早ければ1ヵ月程度で申請は終わります。しかし、診断書に不備や整合性に問題がある場合は2~3ヵ月かかるときもあります」
私「成功報酬20万円、1級または2級の受給が認められた場合、年金の2ヶ月分が報酬とありますが、ずいぶん高額ですね。結構儲かるんじゃないですか?」
社「ほとんど待機時間なのでそんなに工数もかかりませんし、ね。まぁ慈善事業ですよ。慈善事業!」
私「・・・」
社「障害者の方の負担を思えばこそです(笑顔)」
私「!!」

この話を聞いたとき、普段は温厚で通っており滅多に怒ることはないのだが、思わずカチンときてしまった。

私「慈善事業?障害者の負担?報酬20万以上?大した工数もないのに何を言ってるんだ!利益優先の純然たるビジネスだろ!何が慈善事業だ!ふざけんなよ!」
私「何が障害者の方の負担を思えばこそだ!あの程度の事務作業で20万って!仕事なめてんのか!障害を負って苦しんでいる人を食い物にする者とは取引しないから帰ってくれ!」

相手は、私が筋ジストロフィーを患っている障害者だということを知らない。
そして私が自力で障害年金を申請した、ということも知らない。

彼はビックリしただろう。
特定社会保険労務士として法人業務のPRをするために来社したにもかかわらず、それを途中で打ち切られ、関連性の低い障害年金代行業務について説明させられた挙句、突然キレられて・・・

今冷静に振り返ってみれば、この理不尽極まりない私の行いについてはひたすら反省するとともに、何も悪いことをしていないのに個人的な怒りをぶつけてしまった彼には謝罪しなければならない。

ただ、許せなかったのは、障害者の負担を考える、とか慈善事業と言いながら超高額な報酬を吹っ掛けるところだ。