私が筋ジスだとわかった時、妻にはなかなか話し出せなかった。

妻は家事も育児も卒なくこなしてくれてはいるがどちらかというと、考え方は後ろ向きで、且つ気が弱い性格だ。
子どもが小さく、これからがんばって子育てしなければならない時に夫が完治不能の難病であるという、映画やドラマのような展開に悲劇のヒロイン的な受け止め方をしてしまう恐れもあるし、精神的に追い詰めてしまう不安もあった。

そんな妻に直球で伝えることはできず、「何ていうべきか・・」と悩んでいた。

ということで最初に相談したのは両親。
その後、情けないことに、両親に何度も妻に話すべきことを説かれ漸く話を切り出せた。

子どもたちを寝かしつけた後、いつもならゲームで遊ぶ夫が、話があると言って真剣な顔している。
私「あの~。。えーと。。俺ね、実はね。。びっくりしない?何だと思う?」
モゾモゾして早く切り出せなかったことをはっきり覚えている。
妻から「浮気してるの?」「会社クビになったの?」とかそんな会話をしつつ、
妻「あっ!わかった!身体悪いんでしょ?最近動きがおかしいから・・・」
私「お!いい線行ってるね。実は・・・」
だいぶ場が和んできたこともあってチャンスとばかりに
「俺、筋ジストロフィーっていう難病なんだ」
妻「?いつから?もしかして長く生きられないの?」
私「身体が怠いとか筋肉痛が激しいとか言ってた時ぐらいかな。筋肉が萎縮してだんだん動けなくなる病気なんだ。」
妻「もしかして映画で三浦春馬君が演じていた人の病気?」
私「あの病気はALS。俺のとは少し違う。運が良ければ長く生きられるよ」
妻「良かった~!長く生きられない病気じゃないんだね!」
不安な表情を浮かべていた妻が急に明るくなった。
その後、一緒にスマホで病気のことを調べたり、私が今どんな状態になっているのか、将来介護状態になってしまうかも知れないことや子どもたちにも遺伝する可能性があることなど、きっちり説明した。

将来のことが不安でならない私に
「なっちゃったんだから仕方ないでしょ。長生きしようね!」
「今度からは親ではなく最初に私に相談してね!」と。
あの後ろ向きで気弱い妻が、頼もしく、とてもしっかりした存在に感じた。

初めて妻の前で号泣してしまった。

それ以来、妻は前にも増して尽くしてくれるようになった。
食事療法を取り入れたり、日常で筋肉への負荷がかからないように配慮してくれたりもする。

最愛の我が妻。
いつもいつもありがとう。
普通の夫のように頼りにならないし、力強いところは見せられない。
負担ばかりかけてしまって。

こんな身体の夫でごめんよ。