30半ばに筋ジスが自身を蝕んでいることを知ってから、2年半程度で右腕の筋力はほぼ無くなった。
左腕とそっくりに、本来ならあるはずの上腕二頭筋の部分が、えぐり取られたような形状になってしまった。
異様に細く、腕の皮のすぐ下は骨。
細い腕を見られたくないため、真夏でも七分袖や長袖のものを着るようになった。

急激に変化した左腕のときと比べ、進行速度は遅かった。
もしも子育ての負荷がなかったら、もっとゆっくりだったはずだ。


腕の筋力低下は著しく生活に支障を来たし、見た目もインパクトが大きく話題の中心になりやすいが、それが進行している背景で腹筋や背筋も同時に衰えたことも覚えている。

もともと、体育の時間にやるような、腹筋・背筋運動は子供の時から苦手だった。中学高校の頃所属していた運動部でも腕立て伏せばかりやっていて、腹筋背筋はあまり鍛えていない。

普段、ベッドから起き上がるときに腹筋を使うが、右腕の筋力を失う2年半で次第に起き上がりづらくなり、その後40になる手前に腹筋で起き上がれなくなった。
前から胴回りは太い方だったが、筋肉がなくなってきたため、なかりのメタボ腹になってしまった。

背筋については、床に落ちた物を拾う時など苦労するようになり、時には反動を使わないと元の姿勢に戻れないこともあったが、病気の進行は感じるものの、その速度はかなり緩やか。
また、お尻の筋肉量もかなり落ちて、全体的に小さくなったが、力を入れる感触はしっかりあって、筋力が大きく低下したような感覚は少ない。

この病気の治療について、IPS細胞などを利用した遺伝子治療の研究が進められており、苦しんでいる患者にとっては希望の光だ。
しかし、これだけにすがってはいられない。
完璧にこの治療法が確立されるころには私はこの世にいないだろうから。

現在、筋ジスは難治の病気。
予後が大事で病気の進行を遅らせることで対抗するしかない。

しかし、ある程度解明されているようだが、この病気には不明な部分がまだ多い。
医療に関して全くと言ってよいほど知識を持ち合わせていない私にとって、医師が何と言おうと不明な部分、解明されていない部分に可能性を見つけたい。
薬を開発することはできないが、日常の実体験を記録し研鑽しながら身をもってその不明な部分に挑み、更にもがき、工夫し、努力し、苦悩しながら、あわよくば筋力アップを図っていく。

負けそうになる時もあるが、頑張りたい。