自分が筋ジスだと知ったきっかけは左腕の筋力が著しく低下し、その機能を失ったことだ。

その当時は今と違って右腕、背中、足腰の動作は問題なく、また左腕の伸ばす筋肉(上腕三頭筋)は辛うじて生きていた。

それ故に、この病気を侮ってしまった。


医師の忠告から、筋肉痛を引き起こさないように心がけていたが、今ほど慎重ではなく、日常生活で必要な腕の動きについては、左上腕二頭筋が機能しない分、すべて右腕で補っていた。

特に負荷がかかるのは、漸く歩き回ることができるようになった上の子や、産まれたばかりの下の子を抱っこしたりおんぶするときなど、子供の面倒を見るときだ。

小さい子供はとにかく手がかかる!
出産で体力が落ちていた妻だけでは厳しく、夫婦で協力しなければとても対処しきれない。
そんな時期だったため、右腕は自ずと酷使せざるを得ない。

結果、右腕はどうなったのか。

2年半ほど経過した時点で、左と同じように右の上腕二頭筋はほぼ失われた。

自分が筋ジスだと認識していたため、右腕が筋力低下していく感覚はよく覚えている。
しびれる様な感覚から始まり、右腕に力を入れると疲れやすく感じるようになった。
ひじをピンと伸ばしながら腕を斜め上に挙げた状態を維持すると、肩あたりの三角筋などが疲れる、そんなような感覚だ。

月単位の間隔で疲れる度合いが進んでいったことを記憶している。
ちょっと動かすだけで特に上腕二頭筋の部分が軽い筋肉痛を起こす様になり、1日1枚湿布を貼ってケアした。
毎日のこととなると、湿布代も馬鹿にならなかった。

なるべく子供を抱っこしないように心掛けたが、「パパだっこ!」と言われるとつい頑張ってしまうし、妻が家事をしながら子供をあやしているのを見ると、やっぱり手伝ってしまう。

妻には心配されたが、病気の進行と共に我が子を抱っこする当たり前のことすらできなくなることを恐れながら、今しかできない!と思うとやらずにはいられない。

2年ほど経ったころには右手でスマホを見るだけでも、10キロぐらいの鉄アレイを持っていると錯覚するくらいな重さを感じた。

一方、同時に左腕を伸ばすために必要な上腕三頭筋も少しずつ細くなっていた。。。

この部分に筋肉痛を感じたことはほぼないが、右で左を補っていく日常で、自然と左腕の筋肉をあまり動かさなかったことが、病気の進行をそのまま受け入れてしまったことにつながったのだろう。

日ごろのケアを意識して、お風呂でマッサージしたり、軽いストレッチを試みが、結局ダメだった。

そして、約2年半で右の上腕二頭筋、左の上腕三頭筋の機能をほとんど失うことになった。

子供たちを立ち抱っこできなくなった今、椅子やソファーに座ってひざ抱っこしている。

上の子と同じくらい下の子を抱っこしてやりたかったが、もはや叶わぬ夢。


口惜しい。。