2人の子供を授かった。

大切な存在だ。

仕事から帰れば「パパお帰りー!」と元気よく迎えてくれる。
早く帰ることができれば一緒にお風呂に入る。
休日のときは近所を散歩したり、公園に行ったり、映画を見に行ったり、動物園に行ったり、爺・婆の家に行ったり・・・普通のパパと同じように妻や子供たちと過ごす。

家族と手をつなぎ、歩調を合わせ一緒に歩けることに幸せを感じている。

今はかろうじてできているが、これができなくなるかもしれない。
先日、その片鱗を味わった。


久しぶりに県外の大きな公園に行ったときのことだ。

休日の賑わいもあり、近くの駐車場が満車だったため、少し離れたところに駐車した。
そこから公園まで1キロ程度だろうか。
歩いたり階段を上ったりして公園の入り口まで来ただけなのに、もうヘロヘロに疲れ切ってしまった。
汗一つかいてない妻はすごく心配しているが、子供たちはお構いなし。

「パパどうしたの?疲れちゃったの?早く行こうよー!」

この言葉が胸に刺さる。

妻に心配されつつ、はしゃぐ子供たちを抑えながらゆっくりと公園内を進んでいくと、大きな滑り台やアスレチック施設が見えてきた。

いつもそうしているように、公園では妻は下の子を遊ばせ、私は上の子を見張る。

すでに足腰や腕力が衰えているため、遊具で一緒に遊ぶことができない状態ではあるが、子供の移動に合わせて近くへ行き、見守ることはできる。

傍から見れば父親と子供が普通に遊んでいるように見えるだろう。

筋ジスには良くないが、こんな時だけはずっと歩いたり立ちっぱなしだ。

「パパのど乾いた!」
子供に近づき、肩にかけた水筒を手渡す。

「パパお腹減った!」
ポケットに忍ばせてあるクッキーを手渡す。

「パパ写真撮って!」

子供の要望にはなるべく応えたい。
自力で腕を曲げられないが、反動を使ったり、遊具の柱などを利用して腕を固定し何とか写真をパシャリ。

普通のパパが難なくできるこの動作を、私は汗かきかき工夫しながらやっている。

2~3時間経ち、帰るころにはもうフラフラ状態。

でも、帰路の運転もパパとしてしっかりとこなす。

翌日は足首、ふくらはぎ、もも、腰は筋肉痛。
毎週こんなことばかりやっているわけではないが、それ相応の頻度はある。

昨年までは、少なくとも1キロ程度歩いただけでは疲れなかった。

病気は確実に進行している。

続けていれば間違いなく歩行困難となる時期は早まるだろう。

「ううっ悔しい。前は走れたのに。今は歩くことすらきつい。」
「子供たちには申し訳ないが、公園で遊ぶ回数を減らそう」

そんな私に妻が、公園で遊ぶことが全てではない、身体に合わせた遊び方を考えていこうと言ってくれた。

いつできなくなるかわからないけど、少しでも長く家族と手をつなぎ、歩調を合わせ、一緒に歩ける幸せを感じていくために。