進行性筋ジストロフィーが突如として急激に進行し、ただちに身体の一部を全く動かせなくなるということはないと医師から訊いた。

特に、私に疑われるベッカー型や顔面肩甲上腕型は少しずつ進行(筋力低下)していくとのこと。
つまり、ゆっくりと進行するはずなのだが、ひとつ疑問に思うことがある。

身体に倦怠感や脱力感などの、はっきりとした異変を感じたのは30代半ばだ。

そこからこの病気だと知るに至った最初のきっかけ「左手でコーヒーが飲めない」状態になるまで、うろ覚えだがわずか1~2ヶ月程度だ。

この期間を”突如として急激”と言えるのかわからないが、最初に左腕を曲げられなくなった私にとっては恐るべき早さであり、医師もそのように言っている。

もしもこのペースで進行しているのなら、今、40代の私は身体を動かすこともできないだろう。
しかし、病状は足腰含め確実に進行しているが、車椅子も利用せず今もサラリーマンとして普通に働いている。

では、なぜ急に進行したのだろう?

担当医師にもこの疑問を話し、一緒に考えていただけたが、ここからは私個人の推察も含まれるため正確でないことに留意したい。

通常、筋肉は動かすなど負荷をかけることで切れたり伸びたりして傷つく。
筋肉は傷つくと、その部分は炎症し筋肉痛という形で体感する。
傷ついた筋肉は以前より太く修復・補強される。これを筋肥大というが、この筋肥大を繰り返すことにより筋肉は強化され向上する。
筋肥大を起こすには乳酸なども必要とのことだが、特にたんぱく質は必須であるとされている。

筋ジストロフィーという病気は多くの型に分類、症例も様々だが、共通することは筋肉の形成にとって必要不可欠なたんぱく質の設計図となる遺伝子に異常があるため、筋肥大が通常より弱いまたは起きないという。

簡単に言うと、この病気で筋トレをすると、それにより傷ついた筋肉の修復は極端に弱い、あるいは修復されない。修復が及んでいない筋肉はその機能を低下あるいは失うため、結果として筋力は低下することになる。

専門家におかれては、ツッコミどころ満載かも知れないが、私はこのように認識している。

担当医師によると、普通の人と同様に筋ジスの患者も日常の動作で筋肉に負荷がかかり傷つくが、傷ついた筋肉の修復が度重なる日常の動作負荷に追いつかないため、個人差はあるが、時間をかけながら筋力は低下していくことになるという。

これらのことに疑問「左腕の病状の急な進行」の答えを見出すとすれば、
端的に言ってしまうと、

”特に左腕の筋肉へ大きな負荷をかけ続けたため、筋肉痛を起こし続けたが、病気のために修復が弱く、筋肉が壊れたままになり、これを短期間に繰り返したことが急な筋力低下につながってしまった”

私の場合、当時、体調の異変を感じていたものの、筋ジスの自覚はなかったため、頻繁にゴルフの練習やラウンドをやっていた。飛距離が落ちてきたこともあり、繰り返し無理な練習をしていたことも自覚している。

担当医師にも訊いてみたが、進行が早まった要因としては十分に考えられるとのこと。

ここで別の疑問も。
「何で左腕だけ?じゃあ他の部位は?利き腕の右とか大丈夫?」

左腕を自力で曲げられなくなった当時、右腕は普通に動かすことができた。
ただ、今に至っては右腕も同じ運命になってしまったが。。。

この疑問について、個人見解であるが、
当時においては病状の現れが強かった部位は左腕周辺であって、右腕やその他部位の筋肉修復は多少なりとも機能していたと考えている。
発病したからといって、病因の根本がすぐに全身に展開されるとは言えないのかもしれない。

だから複数の型に分かれているのだろう。

今も病状は確実に進行している。

筋肉痛を恐れよ、と自分に言い聞かす。