しばらく、転んでいない。
転びそうになったことすらなく安定した日々を過ごしていたが、
先日、とうとう転んでしまった。

私は転んだとき、「転倒リスト」にその都度必ず状況詳細を記録している。

前回転んだのは2019年初夏。
歩行中に仕事用のサンダルが壊れ、滑って転倒。
会社で赤っ恥をかいた。

それ以降の約10か月間、異常なまで転ぶことに警戒しながら日々を過ごしていた。
そのおかげで、危険を予測する能力はかなり高まったが、つい先日、ほんの一瞬油断したことでバランスを崩してしまった。


その日の早朝、
いつも通り車で通勤。
従業員用駐車場に停め、そこから数十メートル歩いて会社へ向かう。
その途中、自転車に乗った女子高生が前から向かってきた。
ちょうど私の出社時間とその子の通学時間は同じなのだろう、ほぼ毎朝見かける。

実はその子、かなりのべっぴんさん。

その子を何度もチラ見しながら、邪魔にならないよう紳士的に道を譲る。

ここまではいつもの流れだが、女子高生とすれ違った直後、その日に限って、後ろを振り返りながら歩いたのだ。。。

「おっさん、なにやってんだよ!」と自分に言いたい。

後ろを振り向きながら数歩歩いたとき、左足で”何か”を踏んだ瞬間、バランスを崩した。

左側にフェンスがあって咄嗟につかまったことにより、派手な転倒には至らず、
軽く尻もちをついた程度でケガはなかった。

本当に運が良かった。

早朝の誰もいなくなった小道を低い視線からボーっと眺めていると、すぐ目の前にこぶし大くらいの石ころが数個転がっていた。

子どもが石積みして遊んでいたのか
それが崩れて道路に散らかったのか

「危ないなー、勘弁してくれよ・・・」

フェンスや柵につかまりながらなんとか自力で起き上がったが、その時、悔しさと同時に強烈な怒りが沸きおこった。

油断せず、いつも通りしっかり前を見て歩いていれば、不自然に散乱している大きな石を踏みつけることは絶対になかっただろう。

だがしかし!

後ろを振り向いたほんの数秒も油断できないってどんな状況だよ!

戦場なのかよここは!

今まで見たこともないような人工的な石ころの散乱って、トラップじゃん!

よりにもよって、これから仕事を頑張ろうとしてる平日の早朝、後ろを振り向いたときに限ってこんなものが目の前にあるんだぞ!

どんな確率だよこれ!

神さまの試練なの?

そんなに俺を転ばせたいの?

ほんとムカつくわ~

毎朝すれ違う女子高生、たぶん3年生。
もうすぐ卒業だから感慨深く振り返ることは罪なのか?

筋ジス患者に課せられた試練は重いのか。