筋ジスの私にとって、転ぶことは最も警戒しなければならないことの一つ。

警戒していても転ぶときは転ぶ。
それもかなり派手に・・・

転ぶパターンとしてだいたいの場合、

・段差や物に足を引っかける
・よろめいてバランスを崩す

極稀に地面にアゴを強打し流血した時もあるが、大抵、尻もちをついたり、つき指をするくらいで済んでいる。
転ぶときの体制にもよるのだが。

今回、久しぶりに会社内で転倒した。

幸いなことにケガは全くないが、転んだ原因が今までにない新しいパターンだった。

歩行中にサンダルのストラップ(ベルト部分)が老朽により切れてしまい、それにより滑ってバランスを崩して転倒したのだ。

ずっと以前から社内の履物はスポーツサンダルを愛用している。
滑りにくく、サッと履きやすいし脱ぎやすい。
そして、何といってもすこぶる丈夫な代物で長持ちするから経済的。
夏だろうが冬だろうが、社内履きは年中スポーツサンダル。

普段と変わらず出社。
デスクワークし、10時半の部署内会議に出席するため会議室へ向かったその矢先・・・

右足が急に軽くなったとたん、何かに押される感覚がした。
右足を床についたとき踏ん張れず、滑ってそのまま縦スプリッツ気味に大開脚して転倒。。

「大丈夫ですか!」

ありがたいことに、それを目撃した同部署の者たちがすぐに駆け寄ってきて起き上がらせてくれた。

壊れたサンダルを一瞥。
転倒の原因に納得しつつも、来客用スリッパに履き替え、何事も無かったかのように会議室へ直行・・・

A「わたまー、ケガしなかったのか?」

私「大丈夫っすよ!毎日鍛えてるからあれくらい朝飯前っすよー」

B「鍛えてるって・・ゲーム内での話ですよね?」

C「急に力が抜けたのか?」

私「いいえ、片方のサンダルが歩行中に壊れたんですよ。急に。それで滑ったんですよ」
私「バレリーナみたいに華麗にキメてたでしょ?」

D「ぶっちゃけ面白くてコーヒー吹きかけましたよ」

B「たしかに、面白いか面白くないかどちらかって言われますと、超面白かったです」

A「お前、冗談抜きで本当に気をつけろ、サンダルくらい新しいもの買え!」

私「はい・・・気をつけます・・・」

A「会議始めるぞ」



その後、自席に戻ると愛用していたサンダルが置いてあった。
当社は製造業。
壊れたサンダルくらい簡単に直してくれたのはとてもありがたいが、残念ながらもう履けない。


それにしても、履物があるかないかで、床の滑り具合がこれほどまで違うとは・・全く考えてもなかった。

そもそも・・・転んだのは筋ジスだから。

本来なら笑えないのだが、私のキャラも相まってか、ゆっくり滑りながら大股でコケるサマを想像すると、自分でもジワジワと笑いがこみあげてくる。

みんな、朝からまじめに仕事をしている中で、いきなり目の前でこれをやられたら・・尚更おかしい。


妻に話すも
「ごめんね。それ、かなり笑えるよw」


病気や障害をネタにした障がい者お笑い芸人がいる。
笑っていいのか悪いのか・・・この狭間に芸があるのだとしたら。。。

私の新しいコケ方なら十分笑いが取れそうだ。

シリアスに捉えられるより、笑ってもらった方が救われるし、笑ってもらいたいんだよ・・・

こんな考え方になるなんて、数年前の私に見せたいものだ。