当社における採用基準について。
あくまでも当社における基準に私個人の意思が入っていることにご留意いただきたい。

〇選考方法について


一般枠と同様に、書類選考→筆記試験→面談 という形式をとっている。
正直な話、厳格な審査はしていない。
日常、様々なハンディキャップを背負っている障がい者に厳格な審査をしてしまうと、候補者がいなくなってしまう。何のための障がい者枠選考なのか、よく考えなければならない。

〇採用基準について

◆書類選考
履歴書・職務経歴書のほかに、病状に関する内容書を提出していただく。
内容書は、病状・けが、手帳の種類、身体能力、通院頻度、補助器具利用状況、家庭の状況、配慮箇所について記載いただく。

障がい者枠の定数は少ない。
それに対し応募が多い場合は、以下の基準で判断し、筆記試験を受けていただく。

・年齢が若い
・字体に丁寧さを感じる
・転職回数が少ない
・家庭の状況
・通勤・食事・排泄の補助が必要ない
・精神疾患がある場合の状況


◆筆記試験
一般枠の場合は一般常識+SPIだが、障がい者枠の場合はSPIのみを実施する。
当社のSPIは簡単な計算や漢字の穴埋めなど、落ち着いて時間をかければ、小学生でも高得点をとることが可能。
このような問題を制限時間内に数多く解いていく形式。

30問以上正答率70%を最低ラインと決めているが、それに達しない場合でも以下が当てはまると判断すれば面談している。

・年齢が若い
・通勤距離が短い
・身体の障害程度が比較的軽度


◆面談
一般枠の新卒やキャリア枠で、複数の候補者がいる場合は面談回数を増やしたり、社長が同席するときもあるが、障がい者枠の採用には配属部門の責任者クラスと私が所属する部門の責任者クラスが同席で面談する。
必ず質問することは決まっている。

・なぜ働きたいのか?
・前職を退職した理由(職歴あれば)
・家庭環境について
・障害の程度・状況
・配慮してほしいこと
・今夢中になっていること

面接の場面ではどんなケースでも、終始和やかな雰囲気を意識する様心掛けている。

採用において、精神疾患がある場合は注意しなければならない。
なぜなら、以下のケースがあるからだ。
・極端に勤怠が悪い
・指示を守らない
・ポカミスが多く、仕事が2度手間になる

すべてこのようなケースだとは言わないが、結局、仕事を任せることができなくなり、職場の良好な雰囲気が壊れてしまう恐れがある。

このようなケースは当社だけではないはずだ。
社内では、仕事の教え方、指示の出し方、配慮に欠けるなど様々な議論を繰り返してきたが、もはやそのようなレベルではない場合がある。
「そういう病気だから仕方がない」と頭ではわかっていても、当事者たちが全員納得することは不可能だ。

このような経験もあることから、身体に障がいがある方を優先にしていることは、はっきり言える。
綺麗ごと抜きでストレートに言ってしまえば、
「企業は所詮、営利団体。不利益のリスクには慎重にならざるを得ない。障がいの有無問わず、労働の対価を払う以上、必要最低限以上の仕事をしてもらう」

私は障がい者だが、企業の採用担当の一人。
このような考え方は否定しない。

では、最終的に採用を決定する基準は何なのか?

一言で表せば、

働きたい意志を強く持っているかどうか

理由は単純。

当社の経験上、働く意志を強く持っている人ほど、長く仕事をしてくれるからだ。
与えられた仕事を放りだすことなく遂行し、会社に貢献してもらいたい。
そのために登用するのだ。

学歴なんて関係ない。
職歴なんて関係ない。
コミュニケーション能力も関係ない。

身体が不自由でも、ある程度自立できて、働く意志が強ければ、面談の場で「一緒に働きましょう!」と伝えることだってある。

また、もし、家庭の事情が複雑だったり、生活に窮している状況が続いているなど、人として心配せずにはいられないときは、採用する方向で考える。
あくまでも一例だが、

働き盛りの頃合いで一家の大黒柱。
在職中に不慮の事故や病気により身体が不自由になってしまった。
そのため余儀なく退職。
食事やトイレは自立できる。
将来に不安。
働く意志がある。
転職して軽作業に従事したが、身体的に厳しく、職を転々。
妻子がおり、妻はパートタイマーで家計を支えている。

このような事情をもつ候補者が現れた場合、優秀な経歴をもち、同席の面接官が気に入っている他候補者がいたとしても、それを押し退けて私情を優先させて無理やり採用にねじ込む。

採用担当といっても、私情を挟むのは私だけではないでしょ?
私情を挟んで採用して失敗して・・・怒られたときもある。


こんな私情を挟む採用担当でも、真っ先に不採用にする候補者がいる。
それは、

「障がい者なんだから、配慮して当然。助けてもらって当然。」

この意識が強いと感じたら、お祈り文を送ることになる。

人と人が支え合うことで成り立っている世の中。
支える中心には「善意」があると考えている。
私は採用に私情を挟む。

「善意」を当たり前とする意思は嫌いだなあ。。。